【2024年11月7日】

ー 前人未到の3連覇 -

 

勝者、安茂里!

堀内審判長の左手が上がる。

この瞬間、ずっと目標にしてきた三連覇達成!

延長戦でも決着がつかず、抽選となった決勝戦は

選手たちが対戦チームよりも多く○のクジを引いた。

大きな大きなプレッシャーの中で、1戦ごとに選手たちは成長し、

とてつもない記録を打ち立てた。

 

 

1月、必勝祈願の絵馬に恒例の目標を書いた

長野市大会 三連覇!

現状のチーム力では1回戦突破も未知数な状態で

夢のような目標だった。

 

冬場の冬季練習から半年、厳しい練習に耐え、

選手たちは、長野県営球場での6試合を勝ち抜いた。

 

努力は嘘をつかない。

この言葉の意味を選手が教えてくれた。

 

先輩たちが成し遂げた長野市大会の連勝記録を

17にまで伸ばした安茂里松ヶ丘少年野球の選手たちを

心から誇りに思います。

 

努力で掴み取った 長野市大会三連覇!

おめでとう。

 

 

 

 

 

 

 

【2024年3月12日掲載】

ー 親から子へ 子から親へ ー

6年生の選手たち、卒業おめでとう。

このチームで頑張ったことを忘れずに、次のステージでも頑張ってほしい。

学童野球が終わった12月、選手たちは親に感謝の気持ちを口にしていた。

「今まで応援してくれてありがとう、洗濯もありがとう、お弁当もありがとう。」

普段は口にすることの無い感謝の気持ちを親に伝えていた。

学童野球の親は楽ではない・・・

誰よりも早く起きてお弁当を作り、送迎をして、応援をして、泥だらけのユニフォームを

洗い、翌朝には真っ白なユニフォームを準備して子供を起こす。

本当に大変だ・・・

子供が頑張っているなら、出来ることは何でもしてあげよう。

その思いで、親も一緒に学童野球を頑張ってきた。

 

しかし、子供達は見ていないようで実は見ていた。

野球道具を買ってくれる親を。

お弁当を作ってくれる親を。

洗濯をしてくれる親を。

大きな声で声援をおくってくれる親を。

 

休むことなく、子供のために苦労した親を

ずっと見ていた。

 

「いままでありがとう」

この言葉だけで、親には十分だ。

 

普段、口にすることが無い、感謝の気持ちを伝えることが出来る。

 

本当に野球って素晴らしい。

 

 

 

【2023年11月27日掲載】

ー 小さなヒーロー ー

「8」 この数字は彼が今年1年間で打席に立った数である。

チームメイトの打撃練習ではマスクを被り、投球を受ける。

チームメイトの守備練習ではノッカーへの球出しに終始する。

試合では、誰よりも早くコーチャーズボックスに走り、バットを引き、

キャッチャーの補助をする。

そして勝利の瞬間をいつもベンチで迎える。

しかし選手たちは知っていた。

彼がいるから試合ができることを。

最後の一人としてベンチで準備しているからこそ、怪我を恐れずに打球に飛び込めることを。

そんな選手達のスイッチが入った。

それは最終大会、決勝戦、最後の攻撃、

「行くぞ!準備しろ!」監督から彼に声がかかった時だった。

今まで支えてもらっていた選手たちが一斉に声を上げた。

「チャンスを作れ! チャンスでまわせ!」

2アウト3塁。

「球審! 代打 11番」

今年9回目の打席に立った彼の打球は

右中間をライナーで抜いた。

全ての選手がガッツポーズで飛び出した時、彼は迷いもせずに

2塁ベースを蹴っていた。

3塁に滑り込んだ瞬間、塁審は両手を広げ、大きな声で「セーフ」と叫ぶ。

間違いなくこの日一番熱かった瞬間だ。

彼は少し照れくさそうに、祝福するベンチ、そしてスタンドに応えた。

5回表、優勝の瞬間、彼はライトの守備に立っていた。

そしていつもとは違う景色からマウンドに駆け寄り仲間と歓声を上げた!

一番小さな6年生は、レギュラー組と同じ努力をしていた。

たった9打席のために何万回も素振りをした彼は、このチームを影で支え続けた

小さなヒーローだった。

 

 

 

 

 

【2023年9月25日掲載】

ー 長野県チャンピオン -

9月17日 松本スタジアム

県大会準決勝にふさわしい白熱した試合で絶対王者が姿を消した。

中信代表の山形キヨミズは素晴らしい試合展開で絶対王者を苦しめ、

おそらく県内無敗であった野沢浅間キングスが姿を消した。

 

球場全体が異様な雰囲気の中で、我が長野西部クラブの試合が始まった。

3回終了時で2-5の劣勢。

野球の怖さを感じたまま本来の姿とは程遠い選手たち。

 

流れを変えたのは相手の些細なミスだった。

そこから彼らの反撃が始まった。

本来の姿を取り戻した彼らの攻撃は見事だった。

16-5 点差ほど楽な試合ではなかったが、劣勢を跳ね返し

勝ち上がった彼らは、次の決勝戦も猛打で走りぬけ

長野県チャンピオンの優勝旗を手に整列していた。

 

素晴らしい選手、素晴らしいチームだった。

長野県チャンピオンのメンバーであった事に

誇りと自信を持って野球を続けてほしい。

 

小学生最後の大会に、長野県チャンピオンとして

野球ができる幸せを自分たちの手で掴んだ彼らを、誇りに思います。

 

長野県チャンピオン

おめでとう!

 

 

 

 

 

【2023年5月22日掲載】

ー 全員野球 ―

今年も監督を務める長野西部クラブが県大会出場を決めた。

18名のベンチ入りメンバーからなるこのチームは、やはり個性が豊かだ。

安心してマウンドを任せられる選手、打てる選手、守れる選手、走れる選手。

各々の個性を発揮し、チームを救う。 

が・・・

今年、最も感じたのは、全員の調子が良い訳ではない・・・ということ。

大会期間中、調子が上向く選手、落とす選手・・

負けたら終わりのこのチームには、我慢して使う時間と余裕が無く、非情な選手起用を強いられる。

単独チームでは主力を張る選手だが、ベンチスタートが9人いる。

誰もが先発出場のチャンスがあるこのチームの選手たちは、試合前のオーダー発表を

どれだけの思いで聞いているのだろうか・・・

名前が呼ばれない選手を思うと心が痛むが、その選手たちは、一生懸命サポートにまわる。 

戻ってくる選手たちをハイタッチで向かえ、選手に発破をかけ、次の攻撃のリズムを作る。

チームのために本気でベンチから声を出し、一緒に戦っている。

 

自信を持って県大会に行ける。

 

そう思えるチームを、選手たちが作ってくれた。

 

 

 

 

 

 

【2022年11月28日掲載】

ー あと1打席 ー

9番打者の打球が野手のグラブに収まった瞬間

たった2人でチームを引っ張った6年生の少年野球が終わった。

前日、初めてこの2人に明日何番を打ちたいか聞いた。

春、7番から始まったこの子は、努力で4番まで上り詰め、

最後も4番を打ちたいと言った。

この子が一番似合う、その打順に私も賛成だった。

普段2番を打っているキャプテンは、1番を打ちたいと言った。

別の意味で私は賛成した。

このキャプテンを1打席でも多くあの場所に立たせてあげたいと思ったからだ。

 

6点差、最終回、先頭の7番が気持ちのヒットで出塁すると、ベース上でガッツポーズをした。

これで、1番のキャプテンまで打順が回る。

そう思ったからだ。

しかし無情にも1-6-3のダブルプレーでランナーはいなくなり、アウトカウントは2となった。

最後の9番、5年生は、ネクストで待つキャプテンに何としても繋ぎたい一心で喰らいついた。

その気持ちはベンチにも伝わった。

しかし、願いは届かず、もう一回キャプテンを打席に立たせることはできなかった。

敗戦濃厚なこの状況で、ベンチから涙を流し、声をからし、最後キャプテンまで回せと

声を出す選手たちを見て、胸がいっぱいになった。

 

こんなに、頼られ、慕われた、2人の6年生。

君たち2人がもたらした長野市大会の優勝旗は、このチームの歴史を変えた。

 

君たちと野球ができて幸せでした。

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

【2022年11月14日掲載】

ー 今年も襲う特別感染症 ー

千曲川大会 春 レギュラー4人不在

恐竜杯 棄権

そして、目標にしていた金子千尋カップ本戦

5人の選手が欠場の中、なんとか初戦を勝ち抜くも

準決勝は力負け・・・

負けるには理由がある。

でもそれは、主力が欠場したからではない。

ベストメンバーを組めなかったことが理由ではない。

対戦チームが、安茂里松ヶ丘少年野球よりも強かったのだ。

 

負けたことよりも、グランドに立てなかった選手を思うと心が痛む。

いつまで、この姿の見えない化け物と戦わなければいけないのか。

どうして子供達から野球を奪うのか。

 

普通に野球ができることが当たり前ではない。

普通がどれだけ幸せなことなのか。

その普通の1日を、大切に大切にしてほしい。

 

 

 

【2022年8月8日掲載】

ー 涙の優勝 ―

この大会、5試合目のマウンドに上がった5年のエースは

心身ともに限界だった。

渾身の力をこめて投げ込むストレートは、強力打線の前に、いとも簡単に外野を抜け

フェンスを越えた。

ベンチに帰ってくるたびに開く点差・・・

打たれ続ける選手たちに伝える策が無かった・・・

喰らいついていこう、そして最後にひっくり返そう!

私のかける声に、大きな声で応える選手たち。

その目は、力強く、誰一人諦めていなかった。

そして終盤、この子達は本当に自分たちの力で、

打ち返して追いついてみせた。

最終回、初めて相手のスコアボードに0をつけ、

この子達の有言実行が始まった。

最後にひっくり返そう!

粘って、繋いで作ったチャンス。

全員の思いをのせた打球が外野を抜けた瞬間、

全員がベンチを飛び出した!

整列して挨拶が終わっても泣いている選手たち。

勝って、こんなに泣くなんて・・・

 

私は、こんなに素晴らしい選手たちと野球をしていたんだ・・

絶対に諦めるな! いつも選手に言い聞かせていた言葉。

その言葉の本当の意味を

選手に教えられた。

涙の優勝。

おめでとう。

 

 

 

 

【2022年7月21日掲載】

ー 原点 -

7月のある夜、我が家のチャイムが鳴った

高校3年生のTが玄関先に立っていた。

最後の夏、レギュラー番号をもらいました。

そう報告に来てくれた。

それから1週間後、最後の試合で彼は意地のヒットを放ち、引退した。

 

来春から彼はチームのコーチに就任する。

彼の原点のグランドで、また一緒に野球ができる。

私は幸せ者です。

 

 

【2022年6月22日掲載】

― 熱意と根気 ―

元プロ野球選手の桃井進さんから頂いた言葉

「熱意と根気」

少年野球チームを強くする方法

それは指導者の熱意と根気

同じことを何十回、何百回 繰り返し言える根気

それを選手に伝えようとする熱意

この熱意と根気を忘れなければ

選手は必ず応えてくれる!

 

 

【2022年6月7日掲載】

― 走攻守 ―

今年から監督を務める長野西部クラブが県大会を決めた。

裾花少年野球、安茂里松ヶ丘少年野球から18名の選手を選出してチームを組み

大会に臨んだ。

走攻守!三拍子揃った選手ばかりではない。18名の選手はそれぞれに特徴があり、

得意、不得意がある。

しかし試合展開で、選手たちはそれぞれの特徴を活かし、役割を全うし、チームを救う。

またひとつ選手たちが教えてくれた。

本当に野球は奥が深い。

 

 

 

【2022年5月10日掲載】

― 勝ってまた勉強 ―

4月23.24日、第3回安茂里松ヶ丘ジュニアカップに31チームの参加を頂いて無事開催できました。

参加いただいた各チームの皆様、本当にありがとうございました。

 

大会2日目、準決勝で対戦した強豪チームに、タイブレークの末、何とか勝利を掴んだ。

勝負は時の運、自力ではウチが劣っていた。対戦チームは、すばらしい選手、監督、コーチ陣だと思った。

そして決勝戦、準決勝で対戦したチームの選手が、ベンチ後方から応援をしてくれていた。

しかし結果は完敗。後ろで応援してくれていた選手に、申し訳なく思った。君たちに勝っておきながら、、、申し訳ない、、、。

私が少年野球の指導者になったのが、13年前。当時のチームは勝つことを知らないチームだった。

そんな私が感銘をうけ、目標としたチームが3チームある。 まさにそのうちの1チームが、今回の準決勝の対戦チーム。 いつか追いつき追い越せでチームを指導してきた。

試合では勝ったが、その後の選手達の行動から、まだまだこのチームには敵わない。

勝って、また勉強です。